廊下を旅しなくていいんだ
大部屋でもトイレつき

部屋にあるっていいねぇ

具合が悪くても安心

このエッセイの「遙かなる旅路」で、トイレまで点滴を引きながら歩いて行き帰りする時、まるで旅をするかのように廊下が長く感じるとを書いたが、最近はそうでもないかもしれないと思うようになった。何故そう思うかと言うと、夏にうちの母親が3週間ばかり入院したことがきっかけだった。

うちの母親は、ここ最近心臓が少し悪いと言われ、血液が固まりにくくなる作用のある薬を処方されて飲んでいる。心臓の動きがたまに悪くなると、血栓(血の塊)ができやすくなり、その血栓が脳等の血管に詰まると大変だからだ。
その他、数種類の薬をしばらく飲んでいたが、心臓の動きが一瞬悪くなり、瞬間的に意識が遠のき、その場に倒れ込むことが数回あったので、ついに病院の先生から「もう、ペースメーカーをつけないとダメですよ。どこで転ぶかわからないと危ないから。」と言われた。

最初、その話を聞いた時は、本人は勿論、父親や私も「ペースメーカー」という響きに恐れを感じ、「できればそんなものつけたくない。」と思ったが、何回か倒れることが続くと「良くなるならやった方がいい。」と思うようになり、母親本人も治療を受ける事に前向きになった。

それで、3週間ばかり入院して治療を受けることなったのだが、その時に入ったのが4人部屋。個室ではないが、トイレと小さなシャワー室がついていた。
「大部屋(人数はともかく、個室ではないということ)でも、室内にトイレがついているんだ!」と、私は驚いた。これだったら、手術直後にして、わざわざ点滴を引きながら長い廊下を「いてて・・・。」と言って歩く必要はない。自分の部屋にトイレがついているなんてこんなに楽なことはない。
「へぇ〜。今って、良くなってるんだねー。」とつぶやきながら、羨ましく思う私。私が入院した時にこういう部屋だったら、あんなに「長い旅」をしなくてもよかったのになぁ。
今の病院が全部そうではないだろうが、段々、こういう患者にとって生活しやすい環境に、病室も変わっていくのだろうなぁ。有り難いことだ。

まぁ、今考えれば、あの長い廊下の先にあるトイレまで歩いていくことも、それはそれでリハビリになったかもしれないし、トイレで密かに他の入院患者さんの話す情報を仕入れることもできたし、プラスの面(?)もあったのだろうから、あの時はそれで良かったのだ。
ただ、今度入院する時(は、あんまり来ない方が嬉しいが)は、やはり苦労をしないでできるだけ快適に過ごすことのできる部屋に入りたいものだ。


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